平成24年度 生乳生産費を纏めた経営分析報告書を刊行
by 企画管理課
昨年に引き続き、JA北海道中央会根釧支所および根釧農業試験場地域技術グループのご協力のもと、「平成24年度 根室管内酪農経営分析報告書(冊子)」を作成刊行した。
乳量階層と経営階層にそれぞれ区分した64戸のデータを用い、北海道農林水産統計年報の調査方法を参考に根室管内独自の経営分析として算出した。
乳代単価が増加したことから1頭当たり粗収益は前年より8.0%増加したが、生産費も2.7%増加しており、依然として途絶えることなく生産費は上昇し続けている。(搾乳牛通年換算1頭当たり牛乳生産費(全算入)752,086円)
中でも特徴的だったのは、前年より自給飼料費がマイナスを示し、購入飼料費がプラスを示したことであり、全体的に購入飼料依存型に進んでいる可能性を示唆する結果となった。この結果は農水省も同様の値を示している。
物財費の1頭当たり生乳生産原価分析においては、昨年より3.2円高い72.5円となった。(F3.5%換算乳量/自家労働費除く)傾向としては昨年同様、生産規模が大きくなるほど生産原価が上昇し、1,000トン以上になると経営安定層と不振層に二極化する結果となった。また、平均労働時間は2,837時間だが全ての階層において3,000時間を超す経営体が存在しており、過重労働と労働力確保の重要性が明らかになった。
根釧農業試験場地域技術グループは所得変化に対する寄与度から、
(1)収入増減に一番影響を与えているのは乳代収入である。
(2)個体販売収入は所得に影響を与えていない。
(3)経費の増減の影響より乳代収入を堅実に伸ばした経営体が所得を
確保している。
という結果となった。
以上のことから、
(1)搾りに専念する。
(2)搾るために長生きさせる。
(3)後継牛を確保する。
(4)長生きさせるために損耗防止に努める。
が営農指導ツールの主要テーマになると考えられる。
最後に、本報告書の作成公表にご協力いただいた根室管内各JAおよび協力農家の皆さんに深く感謝申し上げます。
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