効果的な搾乳について
by 生産振興課
十勝乳房炎協議会が発行している
『MASTITIS CONTROL II 』を2冊購入しました。
非常にためになった本です。少し自分なりの解釈で、
搾乳に密接なホルモンを紹介します。
オキシトシンは下垂体後葉から分泌され、乳汁が排出されます。
(1)オキシトシンは
視覚→ミルカーを持った人を見るなど
聴覚→処理室から聞こえる搾乳準備音など
触覚→前搾りで乳頭を強く拭かれるなど
で分泌され、個体によって分泌ピークは違いますが、
乳頭をしっかり前搾り後60秒〜90秒がミルカー装着に
良いとされています。
また、高産次牛、泌乳後期牛はオキシトシンの放出反応は
鈍くなる傾向があるので、考慮してあげる。(個体差もある)
(2)アドレナリンは
視覚→いつも叩かれる人を見ることなど
聴覚→人の怒鳴り声
触覚→人に叩かれる
で分泌され、アドレナリンが分泌するとオキシトシンは抑制されます。
牛は興奮したり、驚いたり、恐怖心を持ったりするとアドレナリンを
分泌してしまい、血管が収縮して血流量が少なくなり、オキシトシン
量が減少する。また、アドレナリンは乳腺胞とオキシトシンとの結合
を直接阻害するため、乳汁排出反射が抑制され、搾乳速度が遅くなります。
つまり、効果的な搾乳方法とは乳牛にアドレナリンを分泌させずに、
オキシトシンの分泌ピークにミルカーを装着することである。
また、乳房炎は一番の敵であり、その原因の多くは過搾乳が関係
していることから過搾乳には十分に気をつけること。
1)搾乳前に大声を出したり、牛を叩いたりしない。
(アドレナリンを分泌させない)
2)搾乳前には前搾りをしっかりして、60〜90秒以内にミルカーを装着
(オキシトシンの分泌ピークでミルカーをかけること)
3)過搾乳をしない
(乳房炎予防に一番大切なこと → 乳頭口を傷つけない)
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