by 生産振興課
研修名:第69回北海道家畜人工授精技術研修大会
主催:一般社団法人 北海道家畜人工授精師協会
日時:平成25年10月24日(木)〜25日(金)
場所:釧路市 観光国際交流センター
・今年度、根室管内からは4題の研究発表が報告されました。今回発表された4題の一部紹介を致します。
1.「暑熱ストレス指標としての牛体表面温度の検討」
発表者:片岡美幸 氏(JA計根別)
(1)首の付け根、脇、肩部、乳房の体表面温度は中央部の体表面温度より有意に高い。
(2)体表面温度が29℃を超えると暑熱ストレスを受け始める。
(3)授精時の係留施設では、通年舎飼いの牛の体表面温度はスリーストール牛舎や、授精牛のみ繋留する方法に比べ有意に高い。
(4)受胎牛と不受胎牛とで体表面温度の差は見られない。
2.「ホルスタイン種経産牛における発情後出血の見られる時期及び人工授精後の受胎率との関連」
発表者:古山敬祐(根釧農業試験場)
(1)排血は発情開始から2日後に最も多く見られ、確認した発情の61%で排血が見られた。
(2)排血の見られる時期や頻度は50年以上前の牛と同様である。
(3)発情後に排血の見られた牛は受胎しやすい生理状態にある。
3.「陰部の角度が繁殖成績に及ぼす影響」
発表者:高橋藍未(改良部会)
(1)尻角度が高い牛に陰部がねている牛が多いわけではない。
(2)尻角度よりも陰部角度の方が繁殖成績に影響を及ぼす。
(3)陰部の角度が立っている牛は繁殖成績が良好である。この結果から陰部角度を改良することで繁殖成績を向上させることが出来るのではと考える。
4.「養老牛乳牛改良同志会の取り組み〜ホルスタイン種未経産牛の育成発育調査」
発表者:中條匡晃(JA計根別)
(1)体高は改善前に比べわずかに高かったが、顕著な差は出なかった。体重については改善後において若干高い値を示した。
(2)初産産乳成績の改善前と改善後を比較してみると、乳量、乳脂肪量、乳蛋白質量及び無脂固形分量はそれぞれ差は見られなかった。
(3)初産繁殖成績の改善前と改善後を比較してみると、初産分娩月齢、授精回数、空胎日数及び分娩間隔はそれぞれ飛躍的に向上した。
(4)育成牛の飼養管理の改善は繁殖成績の向上に繋がる。
(5)4年間の取り組みで実際に会員(酪農家)自らが改善することで初産牛全体の乳量及び繁殖成績が向上したと考えられる。