by 生産振興課
農場の目標値を設定するにあたり、初めに出荷乳量で目標を樹立する
農場が多いと思いますが、大きな目標値を設定して規模拡大を計画する
より、まずは現状の労働力でまだロスがないかを確認することが
重要だと考えられます。
規模拡大を目指し、出荷乳量で目標を計画するときに
労働力は外部委託しなければならない場合が多く、労働費の単価は
必ず上昇してしまいます。そのことが所得向上の足かせになることが
多いです。現在では労働力が不足しており、各農場とも労働力を確保するのに
労働者に対し、いい条件を提示してあげなければ、労働力は確保できず、
労働力を確保できても、労働費が必ず負担になります。
それが所得の向上となるのか?生産費調査などから色々なパターンの
農場が確認できました。
所得率と所得額とで意味は違いますが、共通してロスを少なくすれば
必ず両方とも上昇するということです。
規模を拡大して出荷乳量を増産する計画は非常にいいことだと思いますが、
まずは、自農場は現状でロスなく、出荷乳量を現在の頭数規模で最大限に
出荷できていることを確認することがまずは重要だと思います。
その確認をするシステムをWEBシステムでは確認できます。
https://nyuken.hmrt.or.jp/dl
まずは、総合グラフを確認してください。
(総合グラフでは全道、管内、頭数規模、乳量水準の4パターンで比較できます)
(1)生産
ここでは在籍一日当りの乳代収入を乳量水準で比較してみてください。
(→にいけばいくほど、あなたの農場の牛達は稼いでくれています。
しかし、←にいっているとあなたの農場の牛達は何かが原因で稼いで
くれていません。)
(2)乳質
ここではリニアスコア2以下の割合を乳量水準で比較してみてください。
(→にいけばいくほど、農場内の牛群の乳房が健康な牛達が多いです。
しかし、←にいけばいくほど、乳房にトラブルが多い牛が多いということです。
(3)繁殖
ここでは200日以上の空胎割合を飼養頭数別で比較してみてください。
(→にいけばいくほど、長期不受胎牛の割合が少ないという意味です。
しかし、←にいくほど、長期不受胎牛の割合が多いという意味です。
色々と慣れていくと自分でどんどん比較していくのが、楽しくなると
思います。
不明な点がありましたら、本会、瀬野か大石までお尋ねください。
改善できるロスとできないロスがあると思います。
見方などで何かあれば、お気軽にお尋ねください。