乾乳期の飼養管理
by 生産振興課
繁殖に問題を抱えている農場の多くは乾乳期の飼養管理が
うまくいっていなく、難産や泌乳後の個体回復ができず、
などが要因として子宮状態が悪い状況下で授精しても
受胎せずなどが続いてしまっている農場が多いと聞きます。
そこで、乾乳期の意味と管理法が記載されているものがあったので
引用いたします。
引用資料⇒H27営農改善資料 続こうしよう乳牛の飼養管理
乾乳期の意義と管理目標
・乾乳期は、これからの分娩や泌乳へ向けての大事な準備期間であり、
胎児が急成長する時期です。また、分娩前後は免疫力の低下する
時期でもあります。
この時期の乾物摂取量の低下は低カルシウム血症(乳熱)を始めとする
周産期病の発症や、虚弱な子牛が生まれる原因になります。
乾乳の意義
・乳腺細胞の退行と再生
⇒乳腺を休ませ、分娩後に向けて乳腺の再生促進を図る
・肝機能の回復
⇒泌乳期に濃厚飼料多給で痛めた肝臓を回復させる
・泌乳期に疲弊したルーメン壁の修復と容積維持
・乾乳期に急成長する胎児への栄養供給
・乳房炎治療と予防
⇒乾乳期に乳房炎を治療し、新規感染予防を図る
乾乳期の管理目標
・次の産次における乳量を確保する
・周産期病を予防する
⇒乾物摂取量の低下を最小限にする
⇒BCSの維持(太らせない・痩せさせない)
⇒低カルシウム血症予防のためカルシウム代謝を調整
大事なポイントです。個体を観察しながら微調整は必要ですが、
一般的な管理法を下記に記載しました。
乾乳前期(分娩2ヶ月〜3週間前)
・粗飼料を飽食させる
・濃厚飼料は1〜2キロ程度
・カルシウム給与
乾乳後期(3週間前〜分娩)
・栄養濃度を上げる
・濃厚飼料は4キロ程度
・カルシウムは制限する
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