by 生産振興課
多くの講習会で重曹を給与すると良いということは
聞いておりましたが、なぜ、給与しなければいけないのか?
をさきほど、ちょっと時間があったので、再度、確認してみました。
(簡単に説明すると)
牛も人間と同じで美味しいものが好きです。人間はなるべく、
バランス良く牛にも食事してもらいたいので、最近はTMRという
粗飼料や配合飼料を混ぜて、一緒に給与する方法をとっている農場が
多く見られます。しかし、牛は美味しいもの(配合飼料)ばかり
選んで採食し、配合飼料で先に空腹を満たしてしまい、粗飼料を
残してしまい、牛の胃の中に繊維が足りなく、胃の中のPHが下がり
(PH6以下)それが、極度になるとルーメンアシドーシスという病気を
引き起こしてしまいます。これは、胃の中の微生物達が死んでしまい
栄養を吸収されず、消化不良のまま下痢となってしまい、牛の体調が
悪くなってしまい、生産性低下、繁殖成績低下などをまねきます。
また、蹄葉炎や蹄底潰瘍などの併発発生率もかなり高くなります。
下痢だけでなく、蹄も痛くなれば、もちろん、食欲もなくなり、
受胎もしにくい状態になってしまいます。
では、農場内のルーメンアシドーシスを発生させないためには
どのようなことが必要でしょうか?
※大切なこと
(1)選び食いさせないように飼料給餌する
(1日に6回以上は掃き寄せをしてください。)
(2)粗飼料はなるべく、切断長に気を付け、適期刈の良質草を
(雑草ではなく、チモシーなどを)
(3)重曹を給与
(一日200g程度給与するか、牛が自由に舐めれるように用意する)
(4)十分な飲水量を確保する
(きれいな水槽できれいな水を好きなだけ飲水できるようにする)
⇒水分で予防する
ここでの重曹の役割は牛の胃(ルーメン)のPHを6以下にさせないため
重曹はアルカリ性です。PHが酸性よりのをアルカリ性に戻すため
に給与してあげることが役割です。
アシドーシスは蹄葉炎や蹄底潰瘍と相対関係です。
獣医さんや削蹄師さんから発生状況などを聞き取ることも重要です。
根室管内の多くの農場ではアシドーシス発生が問題となっている
または、アシドーシスの状態でも農場が気づいていないとよく
色々な人が教えてくれます。
早期対策が色々な予防につながります。
検定成績などのデータからでも色々な病気などの発生などを
読み取れることもできます。
まずは、自農場の牛群を一度、目で確認し、データでも確認してください。