根室生産農業協同組合連合会 業務ブログ

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乳房炎防除対策研究会(生産連以外からの発表の要約)

by 生産振興課


(1) 「バルクスクリーニングにより得られる生乳の情報とその活用」根室地区NOSAIの大野課長
 (質疑)
 ○バルク乳によるBVD-MD検査の感度と検査料金は?
  →手元に詳しい資料が無いので、事務局である役場に確認する
 ○どこへ検査依頼しているのか?
  →酪農学園大学の田島教授へ依頼している
  →民間で検査可能なのは、日本動物特殊診断だと思う
 ○ワクチンに含まれる遺伝子型とそれへの対処は?
  →近年では、BVD1b型が流行の主流であり、従来のワクチンには1a型しか入っていない
  →しかし最近発売されたワクチンには1b型が採用されたので、その効果に期待したい
 ○公共牧場入牧牛へのワクチンプログラムとして良い方法はあるか?
  →根室管内の方法は、3〜10ヶ月齢の牛へ生ワクチンを1回接種、その6ヵ月後に
不活化ワクチンを1回接種している
  →この対策で、5年後に牛群の80%が高い抗体価を示したので効果があると考える
 ○草場獣医師(座長)からの要望
  →この根室の取り組みを基にして、北海道全体での対策が実施されることを望む

(2) 「生菌数の増加と乳房炎起因菌について」酪検協会の荒谷所長
 (質疑)
 ○根室管内での定期検査の頻度は?
  →毎旬(10日に1回)検査している
 ○バルク乳からグラム陰性菌が検出され、その後の個体検査ではグラム陽性菌が検出された
のだが、その要因として考えられることは?
  →バルク乳と個体乳の採材日が異なるなどの要因が考えられ、この場で回答する
のは難しい

(午後の部は、菊地実氏がコーディネーターとなり、ディスカッション形式にて事例発表が行われた)
(3) 「カウコンフォート実施農家の乳房炎改善事例」JAてしおの松村氏
(ポイント)
 ○改善前、生乳を全てバルクへ投入して、平均45万位まで体細胞数が上昇していたが、
  現在は全乳投入で平均19万に安定している
 ○重点的に改善したのは、資料P15にある3点
 ○まずタイストールにして、仕切り柵を取り付けた
 ○その約4ヵ月後にカウトレーナーを設置したら、数日で乳房の汚れが減った
(搾乳時に使用するタオルの洗濯時に実感した)
 ○乳房、牛体の汚れが減ったことと平行して、体細胞数が減少した
 ○体細胞数の減少と平行して、1日当たり乳量が約3kg増えた
 ○今はペナルティが0円になり乳量も増加したので、経済的にも精神的にも「余裕」が
生まれたと実感している
 ○資料に紹介したストールのサイズは、「松村牧場の牛に合わせたサイズ」なので注意が必要

(4) 「カウコンフォート実施農家の乳房炎改善事例」JA北宗谷の岡村氏
(ポイント)
 ○通路へのミゾ切り直しで、股裂きによる廃用が今のところ無くなった
 ○搾乳手順、衛生管理は元々しっかりしていたが、搾乳機器の1部に不具合を持って
いたので改修した事で、乳質が向上した(P18)
 ○乳房炎牛は、個体毎の細菌検査を行い、「その結果を見てから治療方針を決める」
手法を取っている(記録は全て自分で管理している)
 ○上記対応で、「抗生物質を使う牛と使わない牛」を明確にして、「抗生物質を
使わない牛を増やす=バルクへ投入する生乳を増やす」を目指している

(5) 「ミルカー点検と乳房炎の関連性」GEAオリオンファームテクノロジーの松井次長(画面のみでの説明)
(ポイント)
 ○北海道内の2JA、合計164牧場でのミルカー点検の結果から、「点検指摘事項多い牧場は、
体細胞数が高い」という結果が得られた
 ○この事からも、「定期的なミルカー点検が必要」「点検での指摘事項を速やかに改善する
事が重要」であると言える

(質疑)
 ○JAとして乳質向上を推進してきたが、現場で(酪農家)は「乳質の悪い生乳をバルクへ
投入しない」という方策を採り続けている場面も多い
 ○今回の事例を聞き、ミルカー点検を重視して、バルクへ投入する生乳を増やしたい
 ○例えば、2系統の真空配管を持つシステムをメーカーは推奨しているが、酪農家が1系統の
システムを希望した場合は、それへも対応して欲しい
  →2系統になると管理が難しいという気持ちはわかるが、2系統のシステムは「クロー内の
乳頭先端付近の真空圧を安定させやすい」というメリットが大きい


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