by 生産振興課
搾乳手順については各農場で決められた手順があり、
それを改善するのは、農場にとって負担が大きいとよく
言われます。しかし、乳牛には乳牛の体のきまりがあるのも
酪農家は理解してあげてほしいです。
キーニィーの牛飼い哲学にもあったように、
良い牛になるのも悪い牛になるのもあなたしだいです。
ありましたよね?
そこで私がこの12年間で講習会などで聞いたことを
記載しますので、賛同できた方はできることから始めてください。
基本的なこと
(1)前搾りは強く4回程度実施する
(しっかり刺激することでオキシトシン分泌を強く促す)
(2)前搾りからユニット装着は60〜120秒までに装着する
(しっかりした前搾りから60〜90秒後にオキシトシンの分泌ピークがある)
(3)清拭用タオルは頭数以上のマイクロファイバー
(基本1頭1枚だが、+αで1頭1.5枚が理想です)
(特に乳頭は念入りに清潔なキメの細かいもので乳頭口をしっかり拭く)
(4)過搾乳はしない
(乳房の残っている乳を搾りきることは乳房炎リスクを上げるだけ)
搾乳作業について多くの農場は人間の作業効率を考え作業体制を考えて
いると思います。しかし、それが、実際には人間にも牛にも作業効率を
悪くしてしまっている農場が多いと聞かれます。
全道的な講習会などでは、ラクトコーダーという機器を利用し、その農場
の搾乳手順が効率的な搾乳を実施しているか判断している組合が多くあります。
実際には、前搾りが不十分であったり、過搾乳をしていたり、
ミルカーの故障が発見できたりしているなどを聞きます。
それを用いて搾乳効率を正しくし、一日の搾乳時間が1時間半も減少したなども
講習会等で聞いた記憶があります。
乳房炎などが蔓延して悩んでいる農場は各乳検組合担当者もしくは、
メーカーさんなどに電話し、一度、自農場の搾乳手順がきちんとしているか
などを確認してみてはどうでしょう?
(ラクトコーダーを用いての確認はより有効的です。)
特に従業員などを利用している農場はその経済効果は大きく変化するでしょう。
今の手順が最適かどうかの判断になると思います。
最適と判断した手順が間違っていて、効率が良くなり、労働時間が減り、
生産性が上昇できれば、最高ですよね?
それは、データがきちんと判断できる場合が多いと聞きます。
第23回乳房炎防除対策研究会でも士幌町乳検組合の取組や優良事例発表など
をご覧ください。非常に面白い内容です。
士幌町乳検組合は検定加入率100%で非常にうまくデータ利用をしている
組合だと思います。自分が考える理想型の組合さんです。
ぜひ、皆さまの農場経営のご参考にしてください。
この文章が少しでも、みなさまのきっかけになれれば、うれしいです。