by 情報事業課
日 時:平成24年11月5日〜6日
会 場:JAカレッジ
1.今の政局をどう読むか? 政治評論家 森田 実氏
講演要旨
・現民主党政権の大きな問題点は、尖角問題を巡る対中関係の悪化。
背後で糸を引く米国と松下政経塾派の親米議員のたくらみであると批判。
彼らは米国のいいなりである。
・その基盤は「アーミテージレポート」による、原発推進、TPP推進にある。
・超親米内閣を打倒しなければ我が国は孤立する。
・現政治の課題は、中国との対話の糸口を見つけることに尽きる。
2.まず考えよう。一人では生きられない。 作家 小桧山博氏
・「食って学ぶ」。貧乏こそが他人を思いめぐらすことのできる「人」をつくる。
・「生きる力」を蓄える。生きる力とは、人の心を理解できる力・他人と協力でき
することのできる力・希望を作る力の3点であある。
小桧山博の生い立ちと小説のテーマについては専務理事のブログを参照のこと。
3.肥料原料の安定確保に向けたとりくみについて ホクレン肥料農薬部 小川課長
・肥料価格は穀物・原油価格と同様の変動を示す。
・肥料の需給バランスは均衡し全体として不足していないが日本の需要が小さいため
価格決定の主導権はない。
・海外メーカーは毎年の需給を見て、生産量を調整し需給バランスをタイト気味に維
持して、すこしづつ価格が上がっていく戦略をとる。
・対応策は、精度の高い早期予約。
以下、生産者の対応策としては、(1)適正施肥による肥料コストの削減(2)BB安価肥
料の活用(3)育苗時の一発施肥による省力化。
4.不祥事未然防止と常勤役員の役割 弁護士 中山博之氏
・H23での不祥事発生 6件 9事案(現金横領 4、現金窃盗 4 その他1)
問題は3年以上に亘る長期未発覚。
・悪いことは必ず発覚する。隠すとそのツケは2〜3倍に跳ね返る。上司はそのときど
う対応するかがその分かれ目。
・眼先の利益で動くと悪事に繋がりやすい。
・組織全体で、コンプライアンスの精神を培うことが大事で、不正の「芽」を摘む普
段の業務の進め方が重要。各個人がコンプライアンス意識を持つことが前提。
・役員自身の態度こそがコンプライアンスの鏡となる。
・不祥事発生後は徹底的に原因を調査する。謝罪する。損害賠償に応じる。情報開示
する。
5.今、求められる協同組合の理念と実践 東京農大 白石正彦氏
・2012国際協同組合年の意義
07年の食料危機、08年の金融経済危機に対し、協同組合がもうひとつのビジネスモ
デルとして耐久力・回復力を期待し設定されたもの。つまり、協同組合が地域の経
済に根ざしており、バブル経済の影響を抑えることに貢献したことを高く評価。
・1995ICA原則の改正
第4原則「自治と自立」、第7原則「地域社会への関与」が新たに加わった。
・協同組合セクターはTPPについて考え方を以下のとおりとすることで協調。
「TPPは、市民権、市民性を大切にした21世紀型ガバナンス(相互に支え合うもの
としての権利と責任)と矛盾しており、協同組合セクターは科学的根拠を前面に出
して論議し、国内外の各分野の協同組合間連携を通じた地域社会の持続可能な発展
のビジネスモデルづくりに尽力する必要がある。」