牛マイコプラズマ性感染症の特徴
by 生産振興課
牛マイコプラズマ性感染症の特徴
平成24年11月29日
主催者:獣医師会根室支部
場所:根室地区NOSAI中標津支所会議室
講師:樋口豪紀
現時点、日本国内でのでのマイコプラズマ(以下、マイコと省略する)の陽性率は1.29%であるが、北海道での陽性率は2〜3%程度である。
その内、6割がボビス、2割がカリフォルニカム、2割が病性の弱い菌種であった。
マイコで病原性が高い菌種は、ボビス、カリフォルニカム、ボビジュニタリウムの3種類である。
最初の1頭がどこから発生しているのかと言うと、子牛の呼吸器感染が一番疑わしい。
最近、多発性関節炎の牛からマイコが検出されたが、肺からはマイコが検出されなかったという事例もある。
子牛の時にマイコに感染しても、充分な免疫力があり健康に育った牛は、成牛になる頃にマイコが消えることもある。
マイコに感染すると白血球の働きが悪くなり、肺炎菌が活動しやすくなり肺炎を起こしやすくなる。
バルクスクリーニング検査では、PCR検査で陽性が見つかったら、そのサンプルで直ちに菌種同定検査を行い、その結果に基づき全頭検査の必要性を判断するのがよい。
菌種同定検査の結果にて、レベル1〜レベル3までに分けた対応が必要である。
上記表の通り、レベル2と3では感染拡大が早いのと臨床症状が重篤になる事から、獣医師の指示に基づく早期対応が必要となる。
マイコは一度発生すると、全頭検査で陰性になっても、その後また発症する事例が多いので、バルク乳の定期スクリーニング検査が重要となる。
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