座学と圃場から学ぶ目合わせ勉強会を開催
by 企画管理課
日時:平成27年7月23日(木)
会場:JAけねべつ及び計根別地区の圃場
講師:地独)北海道立総合研究機構根釧農業試験場
研究部飼料環境G研究主幹 佐藤 尚親 氏
協力:北海道根室振興局
JAけねべつ
地独)北海道立総合研究機構根釧農業試験場
佐藤講師をお招きし、牧草と雑草の見分け方(特徴)や草種による栄養価の違い、草種割合の目合わせなどを中心とした勉強会を開催した。
この勉強会は「ネムロ草力活性化プラン」の一環として開催され、将来的に参加者自らが植生改善のアドバイザーになることを目的としている。参加者はJAをはじめ、行政機関、農業関係団体など総勢35名が参加した。なお、ネムロ草力活性化プランは、飼料自給率向上と良質飼料への改善を目指し、管内の農業活性化を図る活動プランとしている。
(座学)
雑草の種類も36年前ではケンタッキーブルーグラスやレッドトップが主流であったが、現在ではシバムギやリードカナリーグラスなどチモシーに競合する草種が殆どとなっている。この3種は見ためは似ているが、シバムギは嗜好性・消化率ともに低く、リードカナリーグラスは採食量が低下して乳量に影響を及ぼすことが明らかになっている。
見分けるポイントは、シバムギならチモシーと同時刈りすると短く色が濃くなり、何より倒伏しやすい特徴を持っている。リードカナリーグラスはチモシーより色が淡く、葉幅が大きいのが特徴である。細かい相違点として、チモシー・リードカナリーグラスは長い葉舌があるが、シバムギは短い。また、葉耳があることで見分ける。
(圃場現地)
実際に圃場に向い牧草の割合を調査した。基幹牧草内に1番多く生えている草種を面積の割合で寄せて見積もる。次点の草種も同様に割合を算出していき、総計が100になるようにする。この算出では100に満たない部分を裸地とカウントするが、はじめから裸地が多い圃場の場合は、裸地から割合を見積もるので注意が必要である。
(まとめ)
似ている草種であっても、その特徴を知り目合わせすることで違いがひと目でわかるようになった。しかし、牧草内に点在する同草種をまとめて何割なのかを算出するには、相当の場数(バカズ)と慣れが必要であると感じた。アドバイザー育成計画は始まったばかりであるが、年に数回の目合わせ勉強会や専門知識を有する普及員に同行する現地研修などを数年かけて盛り込むことを企画していき、管内全体の植生改善につなげていきたい。
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