根室生産農業協同組合連合会 業務ブログ

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第43回道東3地区家畜人工授精技術研修大会

by 生産振興課

題目:第43回道東3地区家畜人工授精技術研修大会
日時:8月9日 13:00〜17:00
場所:帯広市 東急インホテル 2階大ホール


 帯広市にて道東3地区各連合会、各AI協会の主催後援のもと家畜人工授精技術研修大会(以下、道東3地区AI大会)が行われた。
 特別講演として帯広畜産大学の石井準教授が「牛のための分娩管理技術」と題して分娩時の難産の原因、難産やそれに伴うリスクの回避を講演された。
 研究発表としては、根室家畜人工授精師協会(以下、本AI協会)より、JA中春別の藤原会員、JA計根別の片岡会員の2名が発表を行った。他地区からは7題、発情周期性と追い移植の関係、授精時の気温と受胎に及ぼす影響等の研究発表が行われた。

 
1.特別講演 「牛のための分娩管理技術」:帯広畜産大学 石井準教授
・難産の原因としては産道の狭小、胎子失位、子宮捻転等が挙げられ、難産をした際のリスクとしては第四変胃、ケトーシスひいては繁殖成績の低下、乳量低下にも繋がり、牛にも酪農経営にも悪影響を及ぼす。
・これらのリスクを回避するためには、以下の5つの事が重要である。
 (1)早すぎる助産(1時間程度は様子を見る)は避ける。
 (2)早すぎる交配(体高125cm以上になるまで交配しない)は避ける。
 (3)分娩房を確保する。
 (4)種雄牛は分娩難易度が低いものを選択すると良い。
 (5)助産は慎重に行う。

2-1.「平成23年度根室受精卵移植研究部会活動報告」:JA中春別 藤原会員
・管内の酪農家(1部)を対象にアンケートを行った結果、約95%の方が受精卵移植(以下、ET)を知っており、約半数の人が興味を持ってる。
・ETに関するパンフレットを作成配布し、35%の酪農家が新たにETに興味を持ち、11%の酪農家が新たにETを実施し、ETを行っている酪農家の目的としては不受胎牛に対して受胎目的で行うことが理由として最も多い。
・不実施の理由としては現状のAIで満足している(69.1%)、費用が高い(20%)、手間がかかる(5.5%)、技術に対する不安(5.4%)が挙げられ、ET部会としては現地研修会等を行い、技術向上やさらなる普及活動を進める予定。

2-2.「受胎牛と不受胎牛における乾乳期並びに分娩後の牛の状態の比較〜A牧場の事例」
:JA計根別 片岡会員
・牛の個体に注目した長期的な追跡調査を行い、乾乳牛をどのようなコンディションで整えればいいのか、1農場に特定して調査。
・対象農家は繋ぎ牛舎、搾乳頭数約70頭、平均乳量9000kg、調査項目はBCS、ルーメンスコア、周産期疾病治療回数・繁殖治療回数、乳量、乳成分の調査を実施。
・結果、不受胎牛では、
(1)平均産次数について差がない。
(2)BCSは不受胎牛の方が受胎牛より低い。
(3)ルーメンスコアは受胎牛の方が張りが良い。
(4)分娩直後、乳脂率4.5%以上の牛が多い。
(5)分娩直後、P/F比0.7以下の牛が多い。
またルーメンスコアを調査するにあたって「たまご型」という独自の基準を設け調査した。現段階では調査途中であり、今後も継続して調査を行う予定。


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