by 生産振興課
12月6日(水)から8日(金)の3日間、札幌近郊をメインに視察を行いました。根釧の人工授精師協会会員を参集し、今年度は12名の参加がありました。
農場視察や普段見学する機会がない和牛素牛市場、最新情報を収集するためジェネティクス北海道に伺い見て聞いて、そして会員間の懇親を深めました。
日 時;平成29年12月6日(水)〜12月8日(金)
場 所;1)(株)karm角山、2)南北海道家畜市場、3)ジェネティクス北海道
参加者;釧路AI協会5名、根室AI協会7名
〜視察内容〜
1)(株)karm角山牧場
・乳牛560頭、うち搾乳牛は480頭。未経産は3ヶ月まで自家哺育(パスチャライザーによる哺育)、4ヶ月から9ヶ月までは預託、10ヶ月からは育成センターに預ける。
・従業員数は13名(従業員11名、専属獣医師1名、経営コンサルタント1名)
・餌は35kg/日ベースの飼料設計。今後は38〜40kg/日に増やす計画。
・牧草収穫は全て自家収穫。従業員に休みを与える関係から酪農大学生をアルバイトとして雇用している。
・搾乳ロボットのトラブルに関しては初期段階では従業員が対応し、それでも修復できなければデラバル職員に依頼。
・搾乳回数は2.8回/日で体細胞数は10万前後。
・蹄浴は1日3回洗浄水を交換
・バイオガスプラントは年間4,200〜4,300万円ほどの売電収入
2)南北海道家畜市場和牛素牛市場
・去勢平均価格は約83万円(前年度90万円超)、雌70万円(前年度75万円)で取引
・やはり血統と同等に飼料効率の良い牛が高額で取引されている。視察時の最高価格は120万円を超え、成立率も95%を超えた。
3)ジェネティクス北海道
・勝早桜5は北海道育種価も高く脂肪交雑順位5位。市場成績も高値で取引されている。精液価格は現在5,000円。
・第1花藤は脂肪交雑順位7位。産子にはバラつきすると思われるが、市場価格も平均価格より高い。精液販売価格は現在4,000円。
・花晴茂は脂肪交雑順位6位。枝肉の重量にバラつきが見られるがBMS平均も高く発育のよさを美点に持つ牛。精液販売価格は3,000円。
・梅栄福は脂肪交雑順位こと高くないが、育種価は平均以上と好成績。発育・肢蹄ともに良好で今後活躍しそうな牛である。精液販売価格は3,000円。
・A2ミルクが最近話題になっており、根釧ではJA浜中が注目している。既にニュージーランドでは販売されている。(詳細は別紙資料参照)
・最近では、4カ国の種雄牛から生産された『スノーマン』の息子牛『ベーター』が好成績を収めている。(アウトクロスとしても活用できる)
・海外では飼料価格の高騰の影響もあり、2014年12月からTPI成績に飼料効率を導入した。その理由として過去30年間の統計から大きな牛は淘汰リスクが高く、飼料効率が良くない傾向が出たため。今後は中型サイズの牛(成牛で140〜150cmほど)を造成する方向にシフトしてきている。