根室生産農業協同組合連合会 業務ブログ

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乳房炎について

by 生産振興課

1月26日に乳検連で乳房炎についての講習会を実施しますので、
今更ですが、少し本などを見て振り返りました。

(1)なぜ、乳房炎になるのか?
・乳を出すときに牛はオキシトシンというものが分泌され、乳腺組織の
筋肉が収縮し、牛乳が算出されますが、その搾乳中に牛がストレスなどを
感じ、アドレナリンを分泌するとオキシトシンの流出を阻害し、
乳頭に負担がかかり、乳頭口がダメージを受け、そこから菌が侵入し、
乳房炎に感染する。
(過搾乳や前絞り不十分なども乳頭口が大きくダメージを受けてしまう)
・飼料バランスが良くなく、ルーメンアシドーシスなどを併発すると
毛細血管の働きが阻害され、毛細血管の多い、肢・乳房がダメージを受け、
菌の抵抗力がなくなり、乳房炎に感染してしまう。

(2)乳房炎の発生要因として(関連性が高いもの)
1)牛体の清潔度
2)乾乳軟膏の使用
3)ディッピングの実施
4)過搾乳
5)ディッパーの使用
6)搾乳手袋の装着
7)乳房炎軟膏の適切な注入
※これらの項目をきちんと管理することで体細胞数低下につながります。

(3)乳房炎はなぜ治りにくいのか?
・乳腺組織にはもともと白血球が存在し、病原性微生物の侵入を常に監視しています。
その白血球はもともと病原体を食べてくれる(退治)能力が高いが、乳腺組織では
脂肪や蛋白質の粒子がたくさんあり、白血球はそれを食べちゃい、病原菌を
食べる能力(退治)が低下してしまいます。
また、病原菌にとって、乳汁は(栄養・水分・温度)がとても整った環境で
唯一の点滴である白血球の働きを弱まっているため定着しやすい環境となります。
※乳房炎との勝負は病原菌が乳腺に侵入する前に(感染経路は乳頭口)
決まってしまいます。侵入をさせないことが最重要です。

(4)乳房炎にさせない取り組み
・搾乳の定時作業
・搾乳中に牛にストレスを与えない
(アドレナリンを分泌させない、オキシトシン正常分泌)
・前絞りと間隔時間をきちんとする
(きちんと前絞りを実施し、1〜2分後にミルカー装着→オキシトシンの分泌○)
・過搾乳をしない
(乳頭口にダメージを与えない)
・搾乳時の1頭1布をきちんと実施
(感染の防止を目的)
・牛床を衛生的に保つ
(菌の侵入を防ぎ、菌を繁殖させない)


今回はディリージャパン2014年6月臨時増刊号を読ませていただきました。
非常にわかりやすく記載されていたので、みなさんもお時間があるときに
ご参考にしてみてはいかがでしょう?

平成27年1月26日(月) 道東あさひ農協の会議室
で麻布大学の河合先生に講演を依頼しております。
乳房炎にお悩みの方など、多くのご参加をお待ちしております。
尚、当日はお弁当の用意などありますので、必ず、事前申し込みをしてください。
よろしくお願いします。


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