H25生乳生産費を纏めた経営分析報告書を発刊
by 企画管理課
根室管内JAをはじめ、JA北海道中央会根釧支所ならびに根釧農業試験場地域技術グループのご協力をいただき、「根室管内酪農経営分析報告書(冊子)」の平成25年度データ版を作成・発刊した。(H25経営データ数41戸)
北海道農林水産統計年報の調査方法を参考に根室管内独自の経営分析を算出して今年で3年目を迎える。
搾乳牛通年換算1頭当たり粗収益は、副産物価額に含まれる牡トク算出方法を実勢価格に変更したことと乳価の上昇によって784千円となり、前年と比較すると10.9%も上昇する結果となった。しかし、労働費を含めた生産費(816千円)も5.3%上昇する結果となった。
副産物価額の変更により全額算入生産費は前年並みとなったが、物財費そのものは3年連続で増加の一途を辿る結果であり、特に搾乳牛通年換算1頭当たり飼料費は400千円を超え、前年の1割を超す増加を示した。
経営体別でみると、生産規模が1,000tを超した当たりから所得の二極化が始まり、雇用労働と労働時間の増加もこの階層近辺から顕著にあらわれている。また、大規模経営における家族労働換算人数を見ると、家族で賄えられる経営体と雇用に頼らざるを得ない経営体が存在している特徴がある。(多い経営体4.6人、少ない経営体1.1人)
根釧農業試験場地域技術グループが分析した所得形成に対する寄与度の分析では、収入増加の主となる牛乳販売に寄与したのは経産牛増頭、乳価、個体乳量増加のうち「乳価」であった。個体乳量増加には限度があるため、今後は経産牛増頭を含めた収入増加方策を検討する必要があると分析された。また、自給飼料畑への投資が減少していることから、次年度以降の自給飼料品質への懸念を予想している。
乳価交渉の時期を踏まえ、次年度はもっと早い段階で作成することを計画したい。そう思いながら、根室管内JAならびに関係機関へ配布した。
最後に、本報告書の作成公表にご協力いただいた根室管内各JAおよび協力農家の皆さんに深く感謝申し上げます。
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