by 生産振興課
会議名:FAC 第4クール 第2回全体会議
日 時:12月14日 15:00〜17:30
場 所:根室農業会館 第1会議室
今回は「RFSとBCSの活用」をテーマに研修を行い。また「乳牛の肢蹄の実態と改善方策」と題して肢蹄調査の報告を行った。
1.「RFCとBCSの活用」 講師:普及センター 曽根主査
・牛の栄養不足、十分に採食できないと繁殖に大きな悪影響を及ぼす。
・十分に食い込めてるかはRFS、栄養の充足具合はBCSを活用でき、FAC活動ではRFSを1〜3の3段階で評価し、BCSは5段階でスコア付けし活用した。
※BCS:BCSとは牛の皮下脂肪の蓄積度を測るスコアである。肋骨や背骨、腰角、尾根等を触診や視診で計測しBCSの値が低いほど痩せており、高ければ肥満となる。
※RFS:RFSとは牛のルーメン(第1胃)の張り具合から乾物摂取量を知ることができるスコアである。1〜3の3段階で評価し3が最もルーメンの張りの良い状態と評価される。
※添付ファイルの図は各JAの対象牛をBCS別に分娩後のBCSの落差と100日以内の受胎率を表した図。
・添付した図を見ると、BCS3.5以下の牛の方が落差も少なく、また受胎率も良い。
・BCSが高く、またDMI(乾物摂取量)が低いとRFSが低くなり、受胎率も悪くなり、初回排卵が遅くなる。
・過肥牛は生産性が悪く負の連鎖を起こすわけだが、これを改善するためには乾乳期中の管理が大事になる。
・具体的には次のことが挙げられる。
(1)盗食の防止
(2)飼料中のエネルギー成分を減らし、蛋白は減らさない
(3)BCSで配合給与量を調整
(4)TMRの給与調整
(5)トラブルを回避するために乾乳期の飼料採食量アップ
・(3)を行う際は、BCS2.75を目安にスコアが高くなる前に配合給与量を段階的に減らすことでBCSを調整できる
・(5)の乾乳期の採食量アップについては、FSでは一斉に並んで食べられるように飼槽を延長したり、通路の幅を広くとること、連動スタンチョンの間隔を広くとること等のゆとりを持たせることが大切である。
・過肥牛を乾乳期中に太らせないように管理することで受胎率の向上にもつながり生産性の向上にもつながる。
2.報告 「乳牛の肢蹄の実態と改善方策」 報告者:普及センター・吉田主査
・蹄冠、飛節スコアは1〜5の5段階でスコア付けし、1〜2が良い、3〜5が悪い、1,681頭を調査した結果、肢蹄に問題の無い健康牛(スコア1〜1.4)は53%しかおらず、多くの牛が肢蹄に問題を抱えていることがわかった。
・肢蹄の悪い牛は健康牛に比べ、乳量減少、乳蛋白率と体細胞数が増加し、空胎日数が長くなることがわかった。
・肢蹄が悪い牛群の問題としては次のことが挙げられる、
(1)TMRでの選び食いが見られる
(2)給与飼料の粒子が粗い
(3)横臥や採食をせず立っている牛が多い
(4)乳糖率、MUNが高く推移する。
・肢蹄を改善するには次のことが挙げられる。
(1)選び食いをなくすためには給与時間を見計らってタイミングよく餌押しをする。
(2)給与飼料の粒子を10〜13mm程度の適度な長さに保つ。
(3)タンパク質やエネルギーの過不足をチェックする。
(4)乳検の乳量、乳糖、MUNをチェックすること。
(5)肢蹄スコアリングをし肢蹄のレベルを把握すること。