by 情報事業課
会議名:FAC 第4クール 第3回全体会議
日 時:1月18日 14:00〜16:30
場 所:根室農業会館 第1会議室
(1)「飼料給与のモニタリングの技術習得、問題解決手法パート1」
泌乳ステージ毎の飼料給与実例から乳牛を観る手法を学ぶ
根室農業改良普及センター 吉田主査
・乳期別エネルギー仕向け比較表によると、泌乳ピーク妊娠に向けられるエネルギーが
殆ど無く(0.0%)、泌乳後期になると8.9%となっていく。
・タンパク質(アミノ酸)の役割としては、(1)成長 (2)生体の維持 (3)泌乳 (4)繁殖
の順になっている。
・タンパク質を過剰摂取したら、空胎日数も伸びていく傾向となる。
大事なのはエネルギーとタンパク質のバランスである。
・ルーメンアシドーシスになると繊維消化率の低下が起こり、微生物の死滅が始まり、
蹄葉炎や低カルなどを発症する。
・病気になると炎症反応が起こり、サイトカインが放出され、そのサイトカインはエスト
ラジオール濃度低下やプロジェステロンの産生阻害などを起こし、繁殖性の能力を低下
させる。
(2)各農協が提出した粗飼料分析の結果を用いて栄養充足率などの算出
(NRC1989年版栄養要求量表を用いて比較検討も実施)
・各組合(農場)の参考値を用いて、要求量、充足率、栄養濃度を算出。
・A農場の算出結果(分娩後50〜99日の値で計算)
乾物 TDN CP
A農場の値(総量) 25.53 17.03 3.21
要求量(日量40キロ) 24.51 18.32 4.13
充足率 104.16% 92.95% 77.7%
栄養濃度 − 66.7 12.57
・A農場では乾物値は要求量を上回っているが、TDN、CP値は要求量を下回っていた。
※この場合はエサで腹いっぱいになっているが、エネルギー量が足りていない。
粗飼料の品質を上げてエネルギー量を高める事が一番だが、そうでない場合にはサプリ
メントなどを利用し、エネルギーやタンパク質を高めてあげる事が重要。
・全体的にも乾物値は充足されているが、TDNやCP値は充足に満たない農場が多い印
象を受けた。