根室生産農業協同組合連合会 業務ブログ

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FAC活動全体会議(中間報告)について

by 生産振興課

 昨年から取り組んでいるFAC活動(乾乳から受胎までのモニタリング)の全体会議が行われ、各農協からの経過報告や現状に関する協議が行われた。
 モニタしている牛はもともと繁殖に問題のある牛が多く、分娩後に受胎しない牛が多く見られた。その原因を農協担当者と協議した結果、MUNの値が高い牛は受胎しにくいのではないか、月毎にMUNの値が大きく変動する牛は受胎しにくいのではないかとの推察に至った。更に分娩直後に乳脂率が5.0以上になった牛は受胎しにくいのではないかと推察された。受胎しやすい牛の条件としては、BCSが0.5以内で推移していること、分娩後の痩せ止まりが早いことが推察された。
 その他として、乾乳期の管理方法改善(乾乳後期用配合の給与)と飼料設計の変更、飼料掃き寄せ回数の増加、BCSを見ながらのトップドレス給与などを行うことで、牛群平均23kgの乳量が30kgに増加して乳成分は下がらず、分娩後の低カル症も減少したとの報告があった。
 また、このFAC活動を続けてきた中で、繁殖カレンダーを使うようになり授精適期の確認を行いやすくなった農場もあると報告を受けた。全ての農場とは言えないが、牛群の検定成績表からは分娩間隔の短縮が確認できており、このFAC活動による成果が伺えた。

 この活動は授精師個人の資質向上だけでなく、モニタ農場の資質向上にも寄与しており、更にはこの結果を農協内の各授精師やモニタ農場以外へも波及させることで、地域全体の資質向上を図ることが出来ると考えている。
 年々悪化している繁殖成績を向上させることは、各農場の経営を向上させることに直結するので、その事を念頭に置いた取り組みを今後も続けていく必要があると感じた。
 なお、この活動の総括は今年の10月に行う予定となっており、そこで活動の成果や判明したことを公表したいと考えている。


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