by 情報事業課
≪ アイルランド ≫ 9月27日
BALLINDRUM FARM
家族経営の農場であり、酪農業以外にBed and Breakfast(宿泊と朝食)という低価格の朝食付の宿泊施設を経営しており、その収入源は酪農で70%、Bed and Breakfastで30%との事。
本農場は出荷した生乳をグランビアというアイルランドでは最大規模の乳業会社に卸している。
アイルランドには12の乳業会社があるがグランビアは全体の30%を占める。
本農場は70頭の乳牛を飼育しており、1頭当たり平均乳量8500リットル、FAT:3.5 PRO:3.36。
季節分娩(春に70% 秋に30%)
乳価格は1リットル30セントだが、冬期間はボーナス制度により38セントまで上昇する。
しかし、アメリカの干ばつの影響で大豆価格の高騰が懸念されている。
授精に関しては精液をここで採取している。(外部からの購入はしない)
各牛の乳質・乳量をデータベースに登録し、子牛を産む母牛を選択するシステムがある。
また、発情発見は電子体温計を活用する等、発展的な側面も見られた。
人工授精で受胎しなかった牛はまき牛で付ける。
本農場の品質規制として、BAC3万以下・FOS37.5万以下 耐熱菌700以下を設けている。
圃場・草地管理の取り組みについては、牧草地を21日周期で牛群が回るサイクルで放牧させるので、それに合わせて草を刈る。また牛糞をリサイクルして活用する。
仔牛販売については雄牛は生まれて2週間から1ヶ月の間で売りに出される。
去年は仔牛を国外に輸出したために1頭300ユーロになったようである。
また、仔牛育成には哺育を行うが、クォータを超えた場合罰金を支払う義務があるので、その防止も兼ねている。
牛の病気に関してはUCD(獣医学校)でBVD−MD・サルモネラに対し、血液・乳のサンプルを取り研究に努めている。
2015年のクォータ廃止に伴う頭数の増加、生産上昇が予想される中でそれだけの生産が出来る環境はあるのかという質問に、農家とコープで協力して施設の建設を計画している事と、1983年にクォータ制度が導入された際に使用されなくなった既存農場が無数にあり、それが廃止以降フル活用される事となるので、充分間に合うとの事。
また、生産は60%程増加される見込みだが、アイルランドは生産乳の80%を国外に輸出している。
国外の需要に対しての影響は?という問いに対し、世界市場の1%程度を占めるに過ぎない中での問題なので、国外需要の心配は無いとの答え。
尚、本農場にはBed and Breakfastの施設も見学させて頂き、Breakfastのメニューなのか、パンと紅茶を御馳走になった。(2種類のジャムと1種類の生クリームをお好みで付けて食べる)
また、宿泊の部屋を拝見させて頂いたが、実に綺麗で不自由は特にないと感じられた。