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平成24年度家畜個体識別システム定着化事業に係る個体情報提供検討会

by 情報事業課

会議名:平成24年度家畜個体識別システム定着化事業に係る個体情報提供検討会
日 時:平成25年2月26日 13:30〜
場 所:東京・社団法人家畜改良事業団

(1)牛個体識別関連事業等について(農林水産省生産局畜産部畜産振興課)
 平成25年度の『家畜個体識別システム定着化事業』の事業説明。
 事業内容は
 ・新生仔牛等へ装着する耳標の作成・配布、配布方法等の検討、個体識別情報の入力・
  管理等を行う。
 ・生産者等が出生・異動等の届け出を円滑に実施する事を支援するシステム及び個体情
  報の集計・分析、提供・管理するシステムを改善・構築する。
 ・家畜個体識別システムの今後の運営に関する検討会などの開催、現地での有効利用等
  に関する優良事例の調査及び情報収集などを行う。
 所要額:369百万円(補助率定額) 前年度より少々減額。
 また、平成23年からの家畜個体識別システム利活用促進事業は平成25年度が最終の
 事業年度となる。所要額:102百万円(補助率定額) 前年度より少々減額。
 ※確実な個体識別が可能な電子耳標と家畜個体識別システムを連携させて、更なる飼養
  管理の効率化を図る。

(2)牛個体識別システムについて(独立行政法人 家畜改良センター)
 ・牛トレーサビリティ法に基づく届出状況
  平成24年12月31日現在で牛個体識別全国データベースに記録・蓄積されている
  頭数は約1,996万頭であり、届出手段はID連携システムが37.3%と最も多
  い。
  根室管内は酪農家がJAに届出し本会を経由したFTPシステムを適用している。
 ・飼養地情報の公表状況
  農場の飼養地情報の公表については、前年より1.3%程上昇しており、僅かずつで
  も個体識別の趣旨が浸透し、現場の理解が深まっている事が解る。
  但し、福島県においては福島第一原子力発電事故における警戒区域農場(半径20k
  m圏内)は公表をしない事となったため、公表率は下降している。
  尚、警戒区域内の牛が食用とされる事を防ぐ事を目的に『警戒区域内の牛個体識別情
  報検索システム』が別途用意されている。
 ・耳標の規格審査
  耳標の規格審査については国際的な耳標の評価機関ICARの認証。
  耳標メーカーでの現物検査、公的検査機関での強度・劣化試験。
  家畜改良センターの立入検査(平成17年に北海道で発生した耳標付け替え偽装事
  件以降実施)、LIAJのセンター牧場で飼養している牛に一定期間装着するフィー
  ルド試験等を実施し、耳標管理委員会に耳標の適正性について報告している。
  25年度は過去に審査合格した耳標でも3年ごとにフォローアップ試験を実施する。
 ・広報活動
  一般消費者への広報活動として6月の仙台市食肉市場「食肉祭り」、10月の第31
  回畜産フードフェア、11月の第3回食と農林水産業の祭典等での広報活動。
  畜産関係者への広報活動として全国和牛能力共進会、家畜市場(あきた総合家畜市
  場、西那須野家畜市場)でのPR活動。その他様々な広報活動を行っている。
    
(3)報告支援システム等について(社団法人 家畜改良事業団)
 ・イントラ報告システム
  今までのハンディターミナルを利用するシステムから、スマートフォン(アンドロイ
  ドOS)のみ対応の異動報告入力を行うシステムを開発する。
  尚、付属品としてバーコードリーダーを付属品とし、バーコードの内容をスマートフ
  ォンに飛ばす仕組みである。
 ・パソコンシステムの起動時メッセージの記載文字数の拡大
  現在の全角200文字から全角2,000文字に字数を増加する事で字数制限の為の
  非表示の問題を解消。
 ・音声応答システムの改修
  個体識別番号の存在しない場合と入力ミスの場合、音声を異なるメッセージとする。
 ・VPN方式の変換
  通信回線の高速化により、報告に係る伝送の仕組みをイントラネット回線(CUNE
  TS)からインターネットVPNに移行。

(4)意見交換
 Q:この度、耳標が別のメーカーの物に変わったが、装着器は互換性があるとの事だ
   が、実際には使いづらくて、現場で活用出来ない。
   装着器も標準の規格と言うものは作れないのだろうか?
 A:耳標は入札で決まる仕組みなので、実際にどのメーカーが規格統一に向けて主体的
   に進めるのかという事を考えると、現実的には難しいと思われる。

 Q:東北(一部)ではセシウム濃度検査データを提供依頼しているが、情報が有償なら
   ば事前にその周知を徹底してほしい。また、今後も情報は有償なのか?
 A:情報は半永久的に無償とはならないが、ケースバイケースで対応できる物は対応し
   たい。
   
 Q:上記の質問に関連するが、国は個体識別事業で安心安全と言う相当のメリットを得
   ているはず。いつまでも情報が利用者負担で良いのか?
   本来は平成9年に国の事業が始まり、地域に協力を要請した。
   その後コードを統一し一本化。その情報は地域で有効活用する事が前提だったはず。
   それが現在は利用者負担となっているが、国で対応は出来ないのか?
   (農家からも自分のデータが戻ってくるのに何でお金を取られるの?という意見もある)
 A:現在の国の財政状況は事業開始当初より逼迫しているのが現状であり厳しい状態にある。
   現状は困難。

 Q:通信手段がISDN(CUNETS)からインターネットVPNになった場合、
   情報の正確性・迅速性が得られるものなのか?また運用経費については?
 A:正確性は報告義務のある農家を始め関連団体の確認作業によるものだが、通信速度
   の向上による迅速性は大きく上昇する。
   また運用経費についてはCUNETSより安価となる。

 Q:数年前から議題に上る耳標有償化の話は現在どうなっているのか?
 A:現在のところ、この話は無い。但し今後の見通しは見えず、いきなり有償化となる
   と現場はかなり混乱する事が予想される。
   従って万が一に備え、有償化になっても円滑に運用できるような準備が必要。

 Q:報告支援システムについて、ユーザーの要望に基づいた開発、改修をしているとの
   事だが、その要望はどのように集めているのか。
 A:実際のユーザーとの協議、会話から掴んでいる。アンケート調査のような活動は特
   に実施していない。

 Q:スマートフォンでのイントラ報告システムについて、活用するスマートフォンは自
   身の機器で活用して良いのか?そうであれば従来のようにハンディターミナルの購
   入のような手出しが無くて助かるのだが?
 A:確かにスマートフォンは自身の機器で良いが(現状はアンドロイドに限る)、付属
   品のバーコードリーダーやプリンタは購入の必要がある。

 Q:スマートフォンでのイントラ報告システムについて、対応機種がアンドロイドOS
   のものに限るとなっているが、スマートフォンはアンドロイドばかりではない。
   iphoneに対しての開発予定は?
 A:開発当初、アンドロイドとiphoneのそれぞれの対応版を同時開発しようとし
   たが、付属品のバーコードリーダー・プリンタがアンドロイドOSにしか現状対応
   していないため、まずはアンドロイドで完成させる事とする。
   アンドロイドOSはオープン化されているため付属品にも対応し易い。

 要望:1)仔牛補給金制度で活用しているデータについて、保留確認等の現場で実施し
      ている確認作業にも活用できるようにしてほしい。
    2)個人情報保護法が施行されてから、情報の利用に承諾・同意を求めるために
      印鑑を押させるのは、農家は躊躇してしまう。
      情報の共同利用に対しての共通の覚書などで運用しては?
 A: 個人情報保護法の施行、牛トレーサビリティ法の規定の為、個人情報を有効活用
    する事に対する考え方は理解できるが、法律である以上遵守しなければならな
    い。
    遵守した上で情報をトレースする事を目的とした円滑な運用を考える必要があ
    る。

 意見:飼養地情報の公表について、公表しない理由については自身の販売履歴を外部が
    わかってしまう事に対し抵抗があるとの事だが、それだけでなくその趣旨がきち
    んと農家に説明されていない。
    農家が理解していないという理由も大きいのでは?


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