根室生産農業協同組合連合会 業務ブログ

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営農改善指導ツール(生産規模別生乳生産費)算出・活用に係る担当者会議

by 企画管理課

日 時:平成24年5月22日(火)13時30分
場 所:根室農業会館 3階 第2会議室
出席者:15名

生産原価・経営分析と診断
 用途別取引価格+補給金の手取り乳代と生乳生産費の幅が狭くなっている現状を踏まえ、北農中央会公開サーバーに掲載されている原価計算プログラムを活用した根室管内生産規模別生乳生産費を算出し、営農改善ならびに政策価格要求対策に活用することを目的とした担当者会議を開催した。
 はじめに、生産費算出がなぜ必要なのか「酪農経営の今日的課題と営農指導」と題し、JA北海道中央会農業振興部農業企画課専門指導員:渡邉和義氏より講演をいただいた。
(主な内容は以下のとおり)
□ 挙家離農による地域人口の減少や担い手・労働人口の不足により農家戸数が減少する中、戸当り規模が年々拡大していくと同時に機械化・施設化により家族労働力の枠を超え、労働力不足・労働過重が問題視されている。
□ 労働力不足を補うためTMRセンターなどのように外部から労働力を調達した場合、家族労働費と雇用労働費の労働報酬水準を分析把握する必要がある。また、労働力の投下量は規模に対して適切か判断する必要がある。
□ 経営の土台は土地・資本・労働から成り立ち、どの分野が不足しても所得の減につながるためバランスを把握する事が必要である。また、経営の安定性を把握するための自己資本比率は60%以上でなければ経営収支が悪化する。
□ 営農計画書・クミカンから貸借対照表と損益計算書を作成するとともに、クミカンから揃えられない固定資産処分等の資料も整理する必要がある。また、減価償却においては、供用年数が短いため簿価を上回る販売額でなければ処分損が発生してしまう事を把握する。
□ 資本から生産に投入され回収して資本に戻る資金循環活動を理解する必要がある。
 これらを把握するためには原価計算が必要であり、JA北海道中央会公開サーバーにアップしている原価計算プログラム及び労働計算プログラムを活用することで、労働力投下量をはじめ各部門の生産費を算出することができる。経営診断・経営改善に是非活用していただきたい旨の講演であった。

算出・活用に向けた今後のスケジュール
 生産規模別生乳生産費の算出区分として管内5JA(全8地区)で計画し、1地区8戸(乳量階層別:500t未満/800t未満/1,500t未満/1,500t以上)(経営階層別:各地区で選定したA〜D階層)で実施したい旨報告する。また、第2回担当者会議を6月(データの取扱いと作成方法/分析・集計方法/提出期限設定)、第3回担当者会議を8月(集計分析結果報告/分析結果活用方法)に開催するスケジュールであることを確認し終了する。

 おわりに、ご講演いただいたJA北海道中央会農業振興部農業企画課専門指導員:渡邉和義氏に深謝申し上げます。


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