根室生産農業協同組合連合会 業務ブログ

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営農改善指導ツール(生産規模別生乳生産費調査)算出・活用に係る第3回担当者会議

by 情報事業課

日時:平成24年11月13日(火)13時30分
場所:JA中標津 2階 大会議室
出席者:17名

調査対象件数: 55件 乳量階層別・経営階層別(各地区で農家を選定)
調査対象期間: 平成23年1月1日〜平成23年12月31日の1年間
調査方法:
(1) 根室管内各JA担当者の協力のもと、JA中央会が作成した原価計算プログラムにより算出
(2) 土地評価は、新規購入分は取得価額、代々受け継がれた土地は固定資産課税台帳価額の評価額とし、台帳入力不可能の場合は市町村の平均評価額を計上
(3) TMRセンター利用農家の飼料購入分は飼料費、原料草は事業外収益で計上
 (牛への配賦率が高くなるため、TMRセンター単価による飼料分をGサイレージとして調整)
(4) 生乳生産量はF3.5%換算乳量を使用
(5) 原価算定グラフは、自家労働費を含めないkg単価で表示

分析結果の概要
➣農業所得及び所得率
乳量階層別800〜1,500トン未満から1,500トン以上に向かって農業所得は高い値を示している、所得率にすると低い値を示している。また、経営階層別では農業所得・所得率ともにA階層が高く、D階層に向かって低い値を示している。

➣費用合計に占める大きな費用
総体費用の約半分が飼料費、償却費である為に、個体乳量に直接関係する成牛飼料費に着目して分析する事とした。

➣経産牛1頭当り飼料費及び1頭当り乳代−飼料費
・乳量階層別:生乳生産規模が多い階層ほど飼料費が高い値を示した。乳代から飼料費を差し引いた乳代は階層ごとの差があまり見られないことから、飼料多給による乳量確保が見てとれる。
・経営階層別:乳代自体に100,000円ほどの差がある事から、飼料給与だけではなく、乳量乳質管理の差などが影響していると思われる。

➣1頭当り草地面積及び乳飼比
・乳量階層別:生乳生産量が多い階層は頭数に見合った草地面積が確保されておらず、乳飼比が40%を超える農場が多く存在している。
・経営階層別:全階層含め80ヘクタール以上を確保できており、乳飼比も40%を超える農場はほとんどない。

➣売上高負債比率及び経産牛1頭当り所得
・乳量階層別:生乳生産量が多い階層ほど100%以上の値がある。施設等の投資による負債があると思われるが、1頭当りの所得を見ると4,000円弱と低い数値である為に収支のバランスを考えた対応が必要と思われる。
・経営階層別:明らかにD階層に向かって値が高くなっており、経産牛1頭当りの所得もマイナスになっている。

➣1頭当り生乳生産原価
管内平均(55件分)は68.9円という数値になった。
生乳生産量が多い階層ほど平均値を上回っている。経営階層別のD階層が76.4円と高く、平均値を大きく上回っている。

➣1人当たり平均労働時間及び家族労働1時間当たり平均農業所得
階層に関係なく年間2700〜2800時間となり、家族労働1時間当たり平均農業所得は生乳生産量が多い階層ほど高く、経営階層のD階層に向かうほど低くなる傾向となった。
C、D階層は家族労働報酬単価1,400円を下回った。
※集計した数値で基準を大きく外れている農場等が存在していたので、再確認する。

今後のスケジュールについて
  ・営農改善指導ツール活用検討会の開催
  ・技術的要素と生産原価・経営分析値との連結→技術連関図の活用
  ・診断結果に基づく経営改善方向の検討
  ※11月下旬に第4回となる担当者会議を開催予定。
それまでに再確認が必要なJAは確認を行う。

終わりにご多忙にもかかわらず、本会議にご参加いただきました各JA担当者様、JA中央会の皆様に深く御礼申し上げます。


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