酪農法人講習会「雇用調達と労務管理」を考える。
by 企画管理課
と き:平成26年3月25日(火)
ところ:別海町マルチメディア館
午前の部は「人を動かす雇用対策」として、明治飼糧株式会社酪農サポートセンター課長の畠山尚史氏を講師に招き、組織経営は人から成り立ち、やる気を起こさせるために何をすべきかを数々の経営事例をもとに講演いただいた。
労働力調達のポイントは4点。
1つ目は構成員、従業員、パートのように労働を分化させ役割と機能を明確化すること。2つ目は労働に見合う給与水準等就業条件を確立させること。3つ目は飼養技術や作業内容を職能別に区分し組織内の意欲向上を図ること。4つ目は初心者等に対するルーティンワークのマニュアル化である。
酪農未経験の従業員にいきなり重要な作業を任せ、マイナス面が発生したらその責任を押し付け、プラス面が発生しても恩恵がなく依然として低い賃金で雇われ、努力しても現状の立場が変わらない等ではやる気が生まれる訳がない。
労務管理のポイントは職能別作業分化のほか、従業員から構成員に昇格させるキャリアパスを導入するなど、やる気を誘因させる仕組み(インセンティブ)が重要である。
午後の部は「酪農経営体の基本問題と雇用をめぐる諸問題」として、帯広畜産大学地域環境学研究部門農業経済学分野教授の志賀永一氏を講師に招き、拡大し続ける労働時間と大規模経営の特徴から地域として何をすべきか。をテーマとして講演いただいた。
あらゆるデータを見ても規模の拡大により過重労働が発生し、その効率化を求めるため購入依存、外部組織依存につながり、結果、労働者の確保が不可欠となっている。しかし、雇用条件等に最低ラインが引かれていないため、労働を求める側からも魅力が感じられない条件になっているのが現状である。
経営においても、主体・目的、要素、組織、管理運営、分析計画の全てを凌駕している経営者は稀であり、自己に足りない経営情報を生産者組織のつながりから補うことでお互いの経営効果が期待される仕組みが重要である。
これからの酪農経営は単体での取り組みだけではなく、地域メンバーと課題や目標の共有を図り、地域として雇用向上のために何をすべきか考え取り組むことを検討しなければならない。
今回の講演資料を印刷物(冊子)として纏めております。ご覧になりたい方は部数に限りがありますが無料配布いたしますので根室生産連:担当(中畑)までご一報願います。
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