根室生産農業協同組合連合会 業務ブログ

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酪農文化セミナー

by 生産振興課

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会議名:酪農文化セミナー
主催:(株)オリオン
後援:根室生産連
講師:キャトリン・ボルベルグ博士
日時:4月9日(火) 13:00〜15:30
場所:別海町 コミュニティーセンター


1.「カウコンフォート&牛の蹄の健康」
(1)蹄の健康の重要性
・現在のFS牛舎では飲水、採食、横臥等のため牛は移動する機会が多くなり、このため歩行通路の状態は蹄の健康を維持する上で重要になる。
・蹄に問題が生じ、跛行する様になるとロコモーションスコア2(添付資料、図−1参照)から、乾物摂取量が減少し乳量が減少していく。
・また、跛行が原因で牛群の12%の牛が淘汰させることになり、経済的損失も大きくなる。

(2)蹄の健康、成長に重要なことは
・硬いコンクリートの床だと、歩行時の蹄からくる衝撃は和らげられず、蹄への負荷も大きくなり、蹄への血液循環、栄養供給が邪魔され、蹄の角質形成も阻害されるため蹄の健康には適していない(添付資料 図−2参照)。
・牛は蹄への負担が軽い柔らかな場所を好む。ゴム製フロアーの様な柔らかい床だとクッション性があり、歩行時の蹄からくる衝撃を和らげ、蹄への負荷を良好にし、スリップを防ぎ、牛に恐怖感を与えない。
・また蹄への負荷がコンクリートに比べ少ないため蹄の新陳代謝を良くし蹄角質の成長を促す。
・牛床やネックレール等を見直し、牛が横臥し易い環境をつくるには次のことが重要である。
1)丈夫で柔らかな床。
2)皮膚に優しく、乾いた、衝撃を和らげる牛床。
3)頭部の突き出しスペースを確保する。
4)牛体の大きさに対応するため自由自在なネックレールを取りつける。
5)牛に優しいブリスケットボード。
6)適合した寸法の大きさを確保する(最重要)。

・蹄の角質成長と摩耗を自然な形状に近づけることは蹄には良いが、それには次のことが重要である。
1)定期的な削蹄(蹄の肢間部と負重面(蹄壁)は傷つけない、蹄の角度は45度〜50度)。
2)蹄球びらん、蹄葉炎を最小に食い止める(給餌と下肢の衛生状態に気をつける)。
3)通路は限りなく放牧に近い環境にする(硬くない柔らかく、滑らない、摩耗する床)

・蹄の角度が45度〜50度だと生理的負荷が均一にかかるが、蹄の角度が小さくなると蹄の後方に圧力がかかり蹄底潰瘍になる。このため削蹄時にはこの角度を維持し、かつ過削にならない様に気をつける必要がある(添付資料 図−3参照)。


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