根室生産農業協同組合連合会 業務ブログ

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第25回 根釧農試酪農フォーラム

by 情報事業課

会議名:第25回 根釧農試酪農フォーラム
日 時:平成25年3月12日(火)
場 所:根釧農業試験場 講堂

1.泌乳曲線平準化によるエネルギーバランス改善について
発表者:早坂 貴代史 氏
1.1.泌乳曲線平準化によるメリット
(1)飼養管理が比較的容易になる
・牛群内搾乳量、搾乳時間の斉一化
・疾病などの搾乳以外の作業の低減
・給与設計、群分けの単一化
・飼料調製作業の単一化

(2)牛の生涯生産性の向上
・一乳期一群飼養で飼料の構成や社会的関係を安定化
・群分けや移行期における乳量、体重、採食量の段差的変化を無くすあるいは軽減
・BCSの平準化(BCSを平準化すれば泌乳曲線は平準化する。)

2.泌乳牛一群飼養による乳生産について
発表者:志鎌 広勝 氏
2.1.泌乳牛一群飼養によるメリットとデメリット
(1)メリット
・労働の軽減
・TMRの混合ミスのリスク低減
・TMRの濃度変動が少ない

(2)デメリット
・BCSの変動が大きくなる可能性
・繁殖成績が低下する可能性
・分娩時の事故が増加する可能性

3.乾乳期短縮飼養によるエネルギーバランス改善の可能性
発表者:昆野 大次 氏
3.1.乾乳期間短縮を行う理由
(1)乾乳期間50〜60日の場合に乳量が高いと言われているが、乳検成績を解析した結果であり、意図していない短い乾乳期間(授精記録ミス、早産、乾乳忘れ等)との比較の結果の可能性がある。

(2)乳牛改良の結果、高泌乳化が進み、分娩後300日を経過しても日乳量20キロ以上の個体が多い。日乳量20キロ以上でている状態で乾乳を開始するのは牛の体に負担がかかる可能性がある。

3.2.乾乳期間短縮を行うメリット
(1)胎子への要求量が少ない時期はエネルギーを泌乳に分配できる。

(2)飼料の変更回数を減少でき、栄養の濃度変化も小さくなる。(乾乳前期用の飼料を使用しない。)

(3)飛び出し乳量が小さくなり分娩直後のエネルギー状態が改善される。これにより繁殖成績が改善される可能性がある。(周産期疾病の減少も期待できる。)

3.3.試験
3.3.1.試験内容
経産牛を以下(1)〜(4)の条件に区分けし分娩後の経過観察を行った。
(1)乾乳期間が60日で2産目
(2)乾乳期間が60日で3産以上
(3)乾乳期間が30日で2産目
(4)乾乳期間が30日で3産以上

3.3.2.試験結果
(1)初乳性状・量には影響がなかった。
(2)2産では乳量ピークが低く抑えられる。3産以上は影響なかった。
(3)飼料摂取量には影響がないが2産では乳量が低く抑えられる分エネルギー状態は改善された。
(4)分娩前のBCSが低く推移する傾向があった。
(5)血液生化学性状には影響が無かった。
(6)繁殖成績が改善する傾向があった。
(7)疾病発生状況には影響が無かった。


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