根室生産農業協同組合連合会 業務ブログ

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域学連携セミナー(終了報告)

by 生産振興課

域学連携セミナーの要約

 8月28日(木)、中標津町のしるべっとを会場として、中標津町主催の「域学連携セミナー」が開催されました。
 本来は、中標津町内のJA中標津とJA計根別の組合員や家族が参加対象となるのですが、中標津町以外からの参加を認めていただき、近隣の酪農家や家族、従業員、関係職員が参加しました。
 午前の部の資料(ハンドアウト)は、講師と掲載を調整中ですので、後日アップする予定です。
 セミナー内容の要約は、以下の通りです。(生産振興課)

1. 午前の部要約 「子牛はなぜ病気にかかりやすいのか?」 講師 樋口豪紀 教授
 1) 子牛が病気になりやすい要因は?
  (1) 生まれつき弱い場合がある(胸腺が未発達、小さい状態で生まれる)
  (2) 生後の飼いかたで、子牛にストレスを与えたから
  (3) 妊娠牛の栄養状態が悪かった(栄養的な飢餓状態だった)から

 2) 胸腺の役割
  (1) 生後約1年間で、白血球へ自分の役割を伝える内臓
  (2) 未発達の白血球は胸腺で排除される
  (3) しかし、不完全な白血球が体内へ残る場合があり、それが人ではアトピーの原因になりうる
  (4) 胸腺が小さく生まれた牛の胸腺を、成長と共に大きくするのは難しい

 3) 子牛の死廃理由
  (1) 根室管内でも道内でも、感染症である消化器病と呼吸器病が大部分を占める
  (2) 根室管内では、死廃子牛の約9割が3週齢以内である(営農改善資料を参照)
  (3) 感染症に強い子牛、その様な環境や飼いかたを作るのが飼い主の役目である

 4) 子牛にとってのストレスとは?
  (1) カーフハッチ(個体管理)からペン(集団管理)への移動だけでもストレスになる
  (2) 注射する、捕ていする、叩くなどの行為をされた牛だけでなく、それを見ている牛も同程度のストレスを感じている(副腎皮質ホルモンが上昇する)
  (3) 体内での副腎皮質ホルモン上昇と共に、牛の免疫力が低下し病気になり易い

 5) まとめ
  (1) 飼いかた、栄養学的な知識と管理も重要だが、それと同時に「飼い主の考え方」「牛への接し方」が重要である
  (2) 補足として、ストレスがある牛へのビタミンE投与は効果があると考えられる


 6) 質疑応答
  (1) 胸腺の大きさは、外部から確認可能なのか?
   →慣れた人が手で触ると確認できる
   →獣医師に教えてもらう方法もある
   →小さい大きいは判断可能だろうが、中間の大きさの判断は難しい
  (2) 生後3日目からビタミンと鉄分を注射しているのだが、効果はあるのか?
   →白血球が働くのと、赤血球を作るために鉄分は必要
   →ビタミンCは、ビタミンEを再生するのに必要
   →ビタミンE(αトコフェロール)は、ストレスで発生する体内の活性酸素
   (毒素)を消してくれ、体の免疫力を高めてくれる


2. 午後の部要約 「楽しく学ぶ花・野菜づくり」  講師 森 志郎 准教授
 1) 土づくり
  (1) 花にも野菜にも、適した土壌を用意するのが大切(資料参照)

 2) ガーデニングの基本
  (1) 高さ、色合いのバランスを取ると綺麗に見える
  (2) イギリスなどのナチュラルガーデンは、上級者向きで難しいかもしれない

 3) 様々な植物
  (1) 北海道や道東の寒さに強い品種などもある
  (2) 隣の家と同じ、本州と同じという考えではなく、それぞれの家の考え方で花を育てて、地域全体に広がれば、「地域としてのガーデニング」として定着して行くという考え方もある

 4) 質疑応答
  (1) バラの苗を買ったのだが、葉は出るのだが花を咲かせない理由は?
   →葉の成長と、花の開花には、必要な条件が異なる
   →家の北側に植えたことも原因の1つかもしれない
  (2) シクラメンの扱いについて
   →シクラメンは夏を越せない
   →この時期頃に水を与えると、また芽が出てくると思われる
  (3) ギボウシを育てており、約7年で株が大きくなったので、何かするべきか?
   →株を掘り起こし、小さく分けて植え替えすると良い

以上


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