根室農業の概要

 根室は、北海道の最東端に位置しています。オホーツク海と太平洋に面し、年間平均気温が6.3℃で冷涼な気候ですが牧草は低温でもよく生育することから、根釧台地に牧草畑が広がり大規模酪農地帯を形成しています。
 耕地面積は全面積の約3割110千haで、そのうち99%を牧草地が占め、農家戸数、約1,341戸(H27)のうち1,182戸(H27)が酪農を営んでいます。また、50ha以上の土地所有者が83%(H27)に達しています。
 農業算出額は酪農部門で約740億円(H20.7根室支庁)の総算出額を誇り、根室農業の基幹作目となっており、飼養頭数170千頭(H27)、一戸当たり飼養頭数は135頭(H27)と道内有数の大規模経営を展開しています。
 管内の生乳生産量は786千トン(H27)、全道生産量3,803千トン(H27)の21%を占めており一戸当たり665トン(H27)の生乳出荷量を誇っています。
 近年は、個別経営で1,000トン以上の生産者も14%を越え法人化の動きと連動しながら規模と形態ともに生産コストの圧縮・省力化を主眼として規模拡大・協同志向も高まる傾向にあります。
 規模拡大とともに酪農技術も育種の成果と乳牛飼養管理の高度化を核に高泌乳化がすすみ個体能力も8,793kg/頭(H27乳検)まで増加し、乳質も全道でトップクラスの地位を保っています。
 一方で、労働力不足を補い大型経営を支える農業支援システムが稼働しており、酪農ヘルパー、コントラクター事業、協同作業、TMRセンター、哺育育成の分業化等が管内各地で運営され家族酪農経営をサポートしています。
 国内でも屈指の酪農地帯であるため支援組織は発達過程にありますが、酪農が大規模化することによって経営マネジメントが酪農経営を左右することから意思決定判断材料を伴ったJAの営農ソフト事業が重要視されてきています。
 根室生産連は、ファミリーファームからメガファームまでJAとともにそのバックアップと支援作業を通じ、高度集約酪農地域を作り上げる努力を続けます。